こんにちは。よっとんです。
歴史・倫理哲学・心理学、それから本紹介のブログを書いています
今日は「氏姓制度って何?」という話です。
この記事を読めば、
- 氏姓制度ってわかりにくい・・・結局何なの?
- なぜ氏姓制度を採用したの?
について理解できます。
書きましたので、ぜひ最後までご覧ください
氏姓制度を理解するための背景
氏姓制度の細かなお話に入る前に、氏姓制度を理解するための前提となるお話をします。
氏姓制度というものが導入されていたのは、5~6世紀頃の大和時代(古墳時代)です。
この時代のとても大事なポイントは、中央集権国家ではない(=地方分権的な政権)ということです。
当時の大和政権は、地方にも出雲政権や吉備政権があったと考えられ、
全国を統一できてはいないのです。
だから、各地には各地の豪族(=王)がいました。
もちろん、大和にもたくさんの豪族がいました。
例えば蘇我地方に住む豪族、葛城地方に住む豪族がいました。
そういうたくさんの豪族(=王)がいるなかで、ひときわ権力の強かった豪族(=王)が、後に天皇家になる一家です。
彼らは、王(=豪族)よりも高いくらいとして「大王(おおきみ)」と名乗るようになりました。
繰り返しになりますが、この「大王」一族が後の天皇家です。
自分たちが、「大王」と名乗り、その他は豪族(=王)と名乗るだけだと、
誰が大王家に近いのか、遠いのか、
誰が強いのか、強くないのか
よくわからないですよね。
そこで、豪族のなかでも強い権力をもった「大王」は、自分に近い豪族、遠い豪族などのランク分けをしようと考えました。
そこでつくられたのが「氏姓制度」です
つまり、「氏姓制度」は大王に近い人かを分けるため、ランクを与えられた制度なのです!
氏姓制度とは?
最初の大和政権は、地方分権型の政権だったとお話しました。
各地にいる豪族にそれぞれのランクを与える名目でつくられたのが「氏姓制度」です。
(※ちなみに大和時代の後半=飛鳥時代の頃から中央集権国家をつくろう!となってきます。)
まず、氏姓制度では「氏」というランクを与えます。
これは一族ごとに与えられるもので、構成要素は血縁関係ということになります。
例えば、蘇我に住む豪族の一族には「蘇我氏」、葛城に住む人たちには「葛城氏」など与えられました。
他には「大王」のボディーガード的な存在であったといわれるのが「物部氏(もののべ)」です。
「もののふ(=武士)」の語源になったといわれています。
こういった形で、各豪族の一族に「氏」が与えられます。
その一族は「氏人(うじびと)」と呼ばれ、氏人(一族)のトップは「氏上(うじのかみ)」と名乗りました。
氏で分けられた人たちに、次に与えられるのが「姓」です。
これは家柄を示します。といってもわかりにくと思うので、簡単に説明します。
まず、先ほどの氏を与えられた人たちがいましたね。
例えば、「蘇我氏」と「葛城氏」。
大王は彼らに対して「臣」という「姓」を与えます。
「臣」は主に大和地方の有力豪族に与えられたものです。
簡単に言えば、「天皇に近い人たち」ということです。
この「臣」は「天皇に近い者」という証明になるので、ほかの豪族より優位に立てますよね。
※実際に蘇我氏はこのあと絶大な権力を握ることになります。
だから、この「臣」が与えられた豪族たちはとても喜んだに違いありません。
もしかしたら、「臣」をもらえた蘇我氏とそうではない豪族との間で、
(蘇我氏の中のA君):「え、君たちの一族は「臣」(天皇に近い人たちという称号)をもらえなかったの?残念だね!」
こんな会話があったかもしれません(笑)
現代風にいえば、「俺たち、○○先輩のお墨付きもらっちゃもんね~。お前ら俺に歯向かったら、○○先輩が黙ってないからな!」みたいな感じでしょうか。
このように「姓」が与えられていくことになります。
他には、「連」という姓がありました。
これは、特定の職務により大王に仕える有力豪族に与えられました。
簡単に言えば、「エリート職業集団に与えられる称号」ですね。
与えられた豪族は「大伴氏」や「物部氏」ですね。
仕事ができるので与えられた称号ですから、これもよい「姓」だったに違いありません。
実際に物部氏も大伴氏も大和政権では大活躍することになります。
しかし、「天皇に近いーズ(臣)」と「仕事できるーズ(連)」はどちらが上かで争うことにもなりますが。
さて、ほかの姓は「君」と「直(あたえ)」です。
これらは、地方の豪族に与えられたもの(「君」は有力豪族、「直」は普通の豪族)に与えられたものです。
出雲や吉備、それから筑紫にはとても強い豪族がいましたので、彼らには「君」が与えられたのでしょう。
このような形で、天皇に近いのか、遠いのかを示すためにランキングした制度、これが氏姓制度です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
まだまだ、姓は細かく分けられますし、その後に「大臣」「大連」という職種もでてくるのですが、
今回で全体像はつかめたかと思います。
次回は、「大臣」や「大連」と本日の記事との違いを書きますので、ぜひご覧ください!
ここまでご覧いただきありがとうございました!
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