認知バイアス1:「知る」と「できる」と思ってしまう!

心理学・NLP

こんにちは。

本日は「認知バイアス」の記事です。

私たちの思考は、常に正常に働いているとは限りません。

「認知バイアス」と呼ばれる思考の癖は、様々な場面で誤った判断を招き、後悔や失敗に繋がる可能性があります。

今回は、3つの認知バイアスに焦点を当て、それぞれの定義、そして対処方法について解説します。

認知バイアスはなぜ存在する?

「認知バイアス」はそもそもなぜ存在するのか?

「認知バイアス」のほとんどは、ヒトが生存するために適応してきた脳のメカニズムの副産物だといわれています。

「認知バイアス」は失敗や後悔に繋がるときには邪魔者として認識されますが、

そのほとんどは無意識にヒトの生存に役立つものとして存在します。

例えば、いわゆる「楽観主義」(この場合、正確ではなく楽観的に考えてしまうという傾向)は一種の認知バイアスだが、

これは、緊張を和らげたり、ストレスを緩和することに役立っています。

楽観的な思考によって計画が失敗したりするときにはこの認知バイアスは邪魔者になってしまうが、

生存という観点からすると必要なものとなっています。

以上のように認知バイアスは時には人間にとって邪魔者となり、時には必要な物となったりします。

では3つの認知バイアスとその対象方法について紹介します!

1. 疑似相関:「偶然の一致」=「必然」と捉える!

疑似相関とは、実際には関係のない2つの事柄が偶然一致した時に、関連性があると誤って認識してしまう認知バイアスです。

例えば、「アイスクリームの売り上げがあがると、溺死事故件数が増加する」というデータがあったとします。

もちろん因果関係はありませんが、次のような説明が加えられたらどうでしょうか?

「暑いときにアイスクリームが売れる、また暑いときはプールや海に入りたくなるので、溺死事故が増える。」

このような説明が加えられると、「アイスクリームの売り上げがあがると、溺死事故件数が増える」ということが必然のように感じませんか?

対処方法

  • データに基づいた科学的な判断をしよう
  • サンプル数が正しいかを判断しよう

以上の対応はどちらも「意識的な心がけ」が必要です。

情報に関して常に疑うことをしましょう。

2. 知っているつもり:思い込みが招く誤判断

知っているできるは、必ずしもイコールではありません。

知っているつもりになっている状態は、認知バイアスの一つです。

例えば、交通ルールを知っている守れるは、全く別のスキルです。

ルールを暗記していても、実際に運転する場面では、様々な状況に判断を惑わされ、違反してしまう可能性があります。

ただ、人間はその運転技術について知っていれば、運転ができてしまうと思いこむ人が多いようです。

『思考の穴』という著作(詳しくは参考資料をごらんください)で紹介されていた実験では

「BTSのダンス動画(約10秒間)を10回見て、さらにスローモーションのものも見たら、そのダンスを自分もできると錯覚してしまう」ことが紹介されていました。

実際には、そのダンスをほとんどの人がミスするという結果に終わるのですが。

対処方法

  • 実際にやってみる

この対処方法に対して、「当たり前じゃん」と思われる人が多いと思いますが、

これが一番効果を発揮します。

ダンス動画を見たあとに「できるかどうか実践する」と、できない所が浮き彫りになります。

また、プレゼンや面接も実践予定日よりも前に行動することで確認することが一番の対象法です。

3. 計画錯誤:楽観的な見込み違い

計画錯誤とは、計画を立てる際に、物事を楽観的に見積もり、必要な時間や費用を過小評価してしまう認知バイアスです。

例えば、プロジェクトの計画を立てる際、作業時間を短く見積もりすぎたり、

予期せぬトラブルを考慮しなかったりすることで、計画が遅延したり、予算をオーバーしてしまう可能性があります。

東京オリンピックや大阪万博の予算が見積もり時よりも大幅にオーバーしてしまうのはこれが原因かもしれません。

対処方法

  • 過去の経験を参考し、真摯にそれを受け止め実践する

この対処方法に「当たり前じゃん」と思われる方が多いかと思います。

しかし、コロナ感染症が武漢で万延したとき、多くの人は「日本には関係がない」と感じたのではないでしょうか。

これまでも多くの新型ウイルスは世界中にすぐに万延してきたのにも関わらず。

このように多くの人は、過去の出来事を知っているにもかかわらず、それを真摯に受け止め実践しないのです。

もちろん、急なアクシデントが起きる場合もあるので、100%正確な計画を立てることは難しいかもしれませんが、

「急なアクシデントも起きるのが人生だ」と構えておくことも必要だと思います。

まとめ

認知バイアスは、私たちの思考に潜む見えない罠です。

これらのバイアスを理解し、対処方法を意識することで、より客観的で合理的な判断を下せるようになります。

今回の記事を参考に、自分自身の思考の癖を振り返り、より良い思考習慣を身につけていきましょう。

参考資料

  • 『情報を正しく選択するための認知バイアス辞典』(著:情報文化研究所)フォレスト出版
  • 『イェール大学集中講義 思考の穴 わかっていても間違える全人類のための思考法』(著:アン・ウーキョン)ダイアモンド社

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