平和条約と基本条約の違いは?(日中平和友好条約・日韓基本条約)

歴史

こんにちは。よっとんです。

歴史・倫理哲学・心理学、それから本紹介のブログを書いています

今日は「平和条約と基本条約の違いは?(日中平和友好条約・日韓基本条約)」という話です。

この記事を読めば、

  • そもそも平和条約って何なの?
  • なぜ中国とは日中「平和」友好条約で、韓国とは日韓「基本」条約なの

について理解できます。

書きましたので、ぜひ最後までご覧ください

平和条約とは?(サンフランシスコ平和条約・日中平和友好条約)

サンフランシスコ平和条約に署名する吉田茂と日本全権委員団

まず、「平和条約」とは何かを説明します。

平和条約は「講和条約」ともいいます。

この条約は簡単に言えば「戦争を終わらせるための条約」です。

例えば、日本の場合ですと、サンフランシスコ平和条約が有名ですね。

この平和条約は、1951年に開かれたサンフランシスコ講和会議で、

日本と連合国軍(日本の敵)との間で結ばれた、戦争を終結させるための条約でした。

ただ、日本の戦後史に詳しい方なら、

「日本はミズーリ号でも降伏文書を調印したじゃないか!」と思うかもしれません。

確かに1945年9月2日、日本はミズーリ号で降伏文書に調印しました

一応、日本の戦後の流れを簡単にまとめておきます。

  • 1945年8月14日 ポツダム宣言受諾
  • 1945年8月15日 玉音放送
  • 1945年9月2日 ミズーリ号で降伏文書に調印
  • 1951年9月8日 サンフランシスコ平和条約締結

このように、サンフランシスコ平和条約を締結する前に、降伏文書に調印をしているのです。

しかし、この降伏文書の調印はあくまでも休戦協定です。

休戦協定とは、一時的に戦争状態を放棄する協定です。

だから、法律上はまだ戦争を一時中断しているだけという扱いなんですね。

ちなみに、韓国と北朝鮮も現時点(2022年11月)では休戦協定を結んだだけ状態です。

実は、1950年に始まった朝鮮戦争はまだ完全には終結していないのです。

一時、韓国の人気アイドルが徴兵されるというニュースが世間を騒がせましたが、

韓国にはこのような背景もあるので、今後「平和条約」が結ばれる日までは韓国の徴兵制はなくならないかもしれませんね。

さて、サンフランシスコ平和条約に話を戻します。

実は、サンフランシスコ平和条約が結ばれたときに、調印しなかった国がいくつかありました。

理由はいくつかあります。

①講和会議に招待されたけど出席しなかった国:インド・ビルマ(現在ミャンマー)・ユーゴスラビア(当時)

②講和会議に出席したが調印しなかった国々:ソ連、ポーランド・チェコスロバキア(当時)

③講和会議に招待されなかった国:中華民国、中華人民共和国

各々の詳細は今回は説明を省きますが、ここで大事なのは

上の①~③の国の中で日本と戦争で相対したところとは、法律上は戦争が終結していないということです

(もちろん実際に殺しあったりすることはありませんでしたが。)

例えば日本は中国と1937年から日中戦争をしていました。

そして、中国はサンフランシスコ講和会議に参加していないので、戦争状態は戦後も続くことになります。

そしていつ終わったのか・・・

それは、1978年の日中平和友好条約が締結された日ということになります。

法律上は日中戦争は1978年の日中平和友好条約まで続くことになるのです。

ちなみに他国ともきちんと平和条約が締結されております。

・インド(1952年日印平和条約)

・中華民国(現在は台湾という「地域」扱いのところ:1952年日華平和条約、1972年「地域」と扱うようになったことから平和条約は失効)

・ビルマ(現在のミャンマー):1954年日本・ビルマ平和条約

このように戦争状態の国とは平和条約を締結することが国際的に決まっております。

ただ、ロシア(当時はソ連)とは未だに平和条約は結ばれていません

このことにより、ロシアと日本の間には国境が画定されていないのです。

これが「北方領土問題」を引き起こしています。

※ちなみに第二次世界大戦で敵対していない国とは、きちんと国交を回復しています。

・ポーランド:1957年国交回復

・チェコスロバキア:1957年国交回復

・ユーゴスラビア:1952年国交回復

日韓基本条約はなぜ基本条約なのか?

平和条約は「戦争状態を終わらせるための条約」とお伝えしました。

しかし、韓国とは平和条約を結んでいません。

韓国とは1965年に「日韓基本条約」を結んでいるだけです。

それは何故なのかを説明します。

繰り返しになりますが、平和条約は「戦争状態を終わらせるための条約」です。

つまり、戦争状態にあった国と、戦争を終わらせるために結ぶ条約ということになります。

さて、ここで一つ質問です。

韓国とはそもそも戦争状態にあったでしょうか?

否です。

韓国は1910年に日韓併合条約を結んで以来、1945年まで日本に併合された状態でした。

だから、韓国とは戦争していないのです。

そのため、平和条約を結ぶことはありません。

しかし、併合時代に日本はひどいことをしたことも事実といえば事実でした。

だから、韓国と日本はあまり関係性がよくなかったのです。

しかし、地理的にはお隣の国ですし、お互いに今後このままの関係性を続けていては良くないと思ってもいました。

そこで、1952年から、日本と韓国は今後どのような関係性を築いていくかを話し合い始めました。

途中何度も断絶しましたが、

結果的に1965年に「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」が締結されました。

これがいわゆる日韓基本条約と呼ばれるものになります。

この条約で国交回復がなされました。

ちなみですが、戦争状態ではなかったので日本から韓国へは「賠償金」という形ではなく、

「資金援助」という形でお金が渡されました。

この事実も日本人は一応知っておくべきかなとも思います。

以上、なぜ韓国との条約は「基本条約」なのかというお話でした!

まとめ

ここまで読んでくださりありがとうございます。

平和条約は「戦争状態を終結させるための条約

基本条約は日本の場合は韓国と結んだものだけですが、

これは戦争後も仲の悪かった韓国と今後どのような関係性にしていくかという条約

すなわち、「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」からきているということでした。

韓国とは戦争をしていないので、平和条約も結ばないのです。

さて、本日の記事はいかがだったでしょうか。


日本と韓国はお隣の国。

歴史的にずっとどんな関係性を築いていくかを悩んでいたようです。

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ここまでご覧いただきありがとうございます。

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