こんにちは。よっとんです。
歴史・倫理哲学・心理学、それから本紹介のブログを書いています。
今日は、「『人間関係BEST100』がおすすめ!その理由は?」について記していきます。
先に結論から言えば次の通りになります。
『人間関係BEST100』は、心理学などに興味のある初学者~中級者向けの本
「なぜ、『人間関係BEST100』は、心理学などに興味のある初学者~中級者向けの本なのか?」分かりやすくご紹介します。
この記事は以下のような人におすすめです
・『人間関係BEST100』を見て、買うかどうかを悩んでいる。
・日ごろから人間関係に悩んでいる
・上司(部下)、同僚、家族、友達、恋人ともっと良い関係性をつくりたい!
ぜひ最後までご覧ください!
『人間関係BEST100』の簡単な概要
『人間関係BEST100』(※今後は「当書」と表現する)は、字の通り「人間関係」について書かれている本です。
逆にいえば「人間関係」以外のことについては書かれていません。
しかし、「人間関係」はとても重要です。
精神科医のアドラーは、人間のすべての悩みは人間関係にあるといいました。
この地球に「あなた」一人しかいなければ、人は悩むこともありません。
しかし、この世界には友達、恋人、家族、クラスメートといった知人だけではなく、赤の他人がいて、
彼らに何か言われたり、言わなきゃいけなかったり、あるいは、その付き合い方で人は悩みますよね。
当書はその「人間関係」を一つ一つ明らかにしていく新しい学問、
すなわち「人間関係学」に関してのみフォーカスされた画期的な本となります。
さらに、当書のいいところはその「人間関係学」の中でも特に大事、あるいは面白いものを厳選したものとなっています。
だから、この本の書いている内容を取り込めば、もっと人生をラクに生きることができるということにつながります。
では、当書の構成を簡単に消化します。
- 第1章 すぐに使える人間関係
- 第2章 面白くて眠れなくなる人間関係
- 第3章 「男」と「女」の人間関係
- 第4章 子どもの人間関係
- 第5章 ちょっと意外な人間関係
- 第6章 だれかに話したくなる人間関係
このような構成になっていますが、これだと何を紹介しているのか分かりにくい部分もあるので、
勝手ながら次の3つのポイントにまとめさせて、今回はお届けいたします。
① 人間は無意識に環境や他人の影響を受けている
② 人間がついつい行ってしまうクセ
③ 人間のもつすごい能力(無意識の力)
というわけで、今回はこの3つのポイントを主軸として、当書に記されている具体例を紹介していきたいと思います。
そして、最後にはなぜこの本がおすすめなのか、その理由を明らかにします。
ですので、最後までご覧ください!
無意識に環境や他人の影響を受けている
私たちは、何かを決めている時、それは「自分の意志」で決めていると思っています。
・「午後3時に抹茶ケーキを食べるという選択は自分の意志で決めたことだから悪くない!」
・「○○大学に行きたいと思ったのは自分だ。だからこの大学を受験する!」
などなど。
しかし、当書では人は多くの場合、環境や他人の影響を受けて決断をしているといいます。
※当書には他には文化・歴史・教育・社会・メディアなどが記されていますが、すべて「環境」に含めて記していきます。
例えば、人は以下のようなことをしてしまっています。
① みんながいいと言っているものは、なんとなく「いい」と感じる
② 私たちは、無意識に自分の属するグループの色を好む
③ 幸せな人といると幸せになれる
④ 子どもは監視することで悪い道に進むのを妨げる
⑤ 子どもをアスリートにしたいなら田舎に住もう
⑥ 明るいところで会うと「いい印象」を持ってもらえる
⑦ 友達も恋人も結婚も近くにいることが大事
⑧ 私たちは仲良さそうな人を見ると自分も親切になる
⑨ 面接での評価は「順番」が大事
⑩ 自分の似た雰囲気の人とつるみたくなる
※ ①~⑩の順番は当書とは関係ありません
以上の①~⑩の中に思い当たる物がいくつかあるかと思います。
「みんながいいと言っているものは、なんとなく「いい」と感じる」といった、
無意識に自分の考えや行動を、周囲に合わせてしまうのを心理学では「同調効果」といいます
「友達も恋人も結婚も近くにいることが大事」のような、
近くにいる人ほど好みやすくなる傾向は「近接性の効果」と呼んでいます。
当書では、一つ一つの具体的なテーマに対し、解説とそのテーマの理由、それから実験内容まで載っています。※ネタバレになってしまうので、今回は解説内容等は割愛。
「無意識に環境や他人の影響を受けている」に関して、今回は10個ほどのテーマをご紹介しましたが、
当書には倍以上の具体例が載っていて、ボリュームたっぷりです。
「自分は無意識にどのようなことに影響を受けてしまっているのだろうか」という傾向性を知ることは、
今後の人間関係の改善に役立ちますので、もっと知りたい方は当書を読むことをおすすめします。
人間がついつい行ってしまうクセ
私たちは自分の意志とは関係なくついつい行ってしまうことがあります。
・「すでに太っているのに、午後3時に抹茶ケーキをついつい食べてしまった!」
・「今日は勉強するはずだったのに、一日中掃除をしてしまった!」
などなど。
当書では、このような「あるある!」という人間のクセも紹介しているのですが、
「言われてみればそうだ!」というハッとさせられる人間の面白いクセまで紹介しています!
具体的には以下のようなものが紹介されています。
① みんながいいと言っているものは、なんとなく「いい」と感じる
② 私たちは「他のひとより自分のほうが上」と感じやすい
③ 人は禁止されるとそれをやりたくなる
④ 人は自分とは正反対の人に惹かれる
⑤ 思春期の男性は女性の前でかっこつける
⑥ 人はなぜか左腕で赤ちゃんを抱く
⑦ 人は目が合っていると恋に落ちやすくなる
⑧ 他人は自分に厳しい目を向けるだろうと思ってしまう
⑨ 人を傷つけると自分を嫌いになる
⑩ 私たちは「顔」に興味を持つようにできている
※ ①~⑩の順番は当書とは関係ありません
以上の①~⑩の中で、いくつか思い当たったものがあるかもしれません。
「② 私たちは「他のひとより自分のほうが上」と感じやすい」というのは『バカと無知』(橘玲著)でも取り上げられていました。
『バカと無知』では「バカの人(≒勉強ができない人)」にフォーカスされていて、
「バカの人」は共同体で自分の能力が低いことがバレないように、自分を過大評価してしまう習性がある、という内容が書かれていました(ダニングクルーガー効果)。
※逆に能力の高い人は共同体から迫害されないように過小評価をしてしまうとも記されています。
「バカの人」限定ではあるものの、
人は、特に子供のころは何かしらできない(能力が低い)事がありますので、
大半の方は「過大評価はしてしまった」という経験はおありかと思います。
『人間関係BEST100』では①~⑩で取り上げたテーマの解説や理由が載っているだけではなく、
各テーマに対する実験もあわせて載せられています。
個人的には「⑥人はなぜか左腕で赤ちゃんを抱く」というテーマは新たな発見であるとともに、その理由にも納得しました。
人間のもつすごい能力(無意識の力)
3つ目は人間のもつすごい能力(無意識の力)についてです。
私たちは知らず知らずのうちに発揮してしまっているすごい能力があります。
・「午前中の仕事でとても疲れたのに、昼食後に抹茶ケーキを食べたらすぐに回復した!」
・「勉強をしようというやる気が最初は起きなかったが、机に座ってノートを見ているうちにいつの間にか数時間も勉強できていた!」
などなど。
当書では、このような人間のいつの間にか発揮しているすごい能力や、
思わず「へえ~、そうなんだ!」と言ってしまう新たな知見が紹介されています!
具体的には以下のようなものが紹介されています。※分かりやすくするために当書のテーマ表現と異なった表現をしているものもあります。
① 上機嫌なふりをしていれば、本当に上機嫌でいられる
② 苦手な人を好きなものに例えると苦手意識が薄くなる
③ 本当の自分をさらけ出せるとストレスがなくなる
④ 「好かれる」と思いこめば好かれるし、「嫌われている」と思いこめば「嫌われる」
⑤ とりあえず笑っておけば好印象を相手に与える
⑥ 恋人ができたばかりの人は痛みもへっちゃら
⑦ 生後3日の赤ちゃんでも自分と他人を区別する
⑧ ウソ発見器で人はウソを見抜ける
⑨ 冷たくされた人は新しい出会いに積極的になる
⑩ 性格はいつからでも変える
※ ①~⑩の順番は当書とは関係ありません
以上の①~⑩の中で、いくつか思い当たったものがありましたでしょうか?
「人間のもつすごい能力(無意識の力)」は今すぐ実行が可能なものが多いです。
そして、この能力は最初に紹介した「無意識に環境や他人の影響を受けている」の裏返しでもあります。
相手の無意識に自ら働きかけることにより、相手をコントロールすることができるということです。
ぜひ実践で活用してみてください。
『人間関係BEST100』のおすすめの理由とは?
最後に『人間関係BEST100』がおすすめできる理由を2つご紹介します
2つの理由は次の通りです。
① 実験を基にした、明確な根拠と理由
② コンパクトさ
以下、具体的に説明します。
実験内容を基にして、根拠と理由が書かれている。
一つ目は「実験内容を基にして、根拠と理由が書かれている。」ということです。
『人間関係BEST100』では、コロンビア大学、スタンフォード大学、ハーバード大学など著名な大学の専門家などの研究の結果を簡単に紹介しています。
例えば、「みんながいいと言っているものは、なんとなく「いい」と感じる」というテーマの実験は、
「ストラディバリウス」(めちゃ高くて有名なバイオリン)を「いい」と思ってしまっているプロのバイオリニストに「ストラディバリウス」とその他の良質なバイオリンを弾いてもらうというものでした。
そして、その実験からテーマ通り(「みんながいいと言っているものは、なんとなく「いい」と感じる」)の結論を導き出しています。
だから、テーマに対する「根拠」がきちんとしている、というのが当書おすすめの理由の一つです。
さらに、なぜ「いい」と思ってしまうのかの「理由」も明確にされているところもおすすめポイントです。
「みんながいいと言っているものは、なんとなく「いい」と感じる」のテーマでは、理由として同調効果を紹介しています。
このように、実験に基づく根拠と理由を明確に記しているのが当書のおすすめポイントになります!
コンパクトさ
2つ目の理由で、かつ個人的に感心するのは、そのコンパクトさです。
1つの人間関係のテーマに対して、紹介ページは9割が2、多くても3ページです。
前の理由の「実験・根拠・理由」がすべて入って2ページということです!
だから、非常に読みやすい!
電車やバスの通勤時間、仕事・家事の休憩時間、寝る前のちょっとした時間など、
短かい時間しかなくても、5テーマくらいはすらすら読めてしまいます。
『人間関係BEST100』と言って、「100個も読んでられるか!」と最初は思いましたが、
内容がすべて異なっていること、すべてが自分と関わる人間関係に絞っていること
などから読み始めてなんと3日で読めてしまいました。(※1日1時間程度の計算です)
繰り返しになりますが、決して一つ一つのテーマの解説内容が薄いのではなく、
逆に一つ一つに対して充実した解説内容をコンパクトにまとめているからこそ
最後まで一気に読破できてしまうものです。
とてもおすすめですのでぜひ読んでみてくださいね。
まとめ
最後にどんな人におすすめなのか、をまとめていきます。
『人間関係BEST100』は、心理学などに興味のある初学者~中級者向けの本である。
逆におすすめできない人は、
・理由とか実験内容とかは不要の心理現象だけ早く知りたい人
・日ごろから心理学の研究をしている専門家
です。
おすすめ理由のところで述べましたが、当書は実験内容・根拠・理由が整っている本です。
心理現象だけを知りたい人、ファスト教養を求める人にはおすすめできません。
また、そのコンパクトさから、詳細な実験内容や理由は載っていません。
ですので、専門家にもおすすめはできません。
逆にそのコンパクトさから初心者には向いています。
さらに、100個も事例があることから中級者向けの本とも言えるでしょう。
以上のことから、『人間関係BEST100』は、心理学などに興味のある初学者~中級者向けの本であるといえます。
該当するあなたは、ぜひ、『人間関係BEST100』を読んでみてください!
ここまでご覧いただき誠にありがとうございました。
『世界最先端の研究が教える新事実 人間関係BEST100』(内藤誼人)発行所:総合法令出版株式会社
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