公共1:青年期とは?(発達課題)

哲学・倫理学

皆さんこんばんは。

本日は公共でも取り扱われる「青年期とは何か?」について、

簡潔にまとめました。

  • 青年期とは何か?
  • 青年期の発達課題は?特徴は?
  • SNS時代の青年期

について説明していますので、ぜひ最後までご覧ください。

青年期とは?

青年期は、こどもとおとなの中間に位置する時期です。

近代以前はこどもは「通過儀礼」を行い、おとなになる(認められる)ことが多かったのですが、

※例えば、平安時代の「元服式」など

近代以降は仕事が増え、社会も複雑化したので、こどもがおとなになるまでの準備期間が必要となりました。

その期間に相当する、だいたい10代~20代前半までの期間が青年期といわれます。

※範囲に関しては個人差や文化的な要因によって曖昧です。

 例えば、M・ミードによれば文明化を成してないサモア人には青年期が無いとしています。

青年期の主な特徴

(1)身体的な変化

 ・第二次性徴:性的部分の成長、身体の急激な成長など

青年期は急激に身体が変化します。

今まで誰かを叩いても相手に危害を加えるほどのパワーが無かった人でも、青年期の成長によって危害を加えるほどのパワーを身に着けてしまうこともあります。

身体の変化は著しいですが、心理面がそれに追いついていない場合が多く、

多くの人はそのことに悩みます。

(2)心理的な変化

例:心理的離乳:親からの自立心が芽生える

青年期には心理的な変化も大きいです。

極端な例ならば、今までは「本気でサッカー選手になれる」と思っていた子が

冷静な判断力を身に着け、

自分の実力を客観視できるようになり、その夢が現実的ではないと知ることなどです。

※青年期=「夢をあきらめるようになる」ではないので注意。あくまでも現実と理想を見つめることができるようになるということです。

青年期の発達課題

青年期の発達課題はハヴィガーストによれば「アイデンティティの確立」です。

アイデンティティは、日本語訳では「自己同一性」です。

「自分はこれだ」という認識とでも考えればよいかと思います。

「自分で思う自分」と「他人から思われる自分」が乖離していると、アイデンティティの確立が難しくなります。

その場合でも、「自分とはこれだ」という確固たる自分を持っていれば問題ありません。

とにかく、「自分とはこれだ」という揺らがない自分を持つことがとても大事です。

アイデンティティの確立に失敗すると…

アイデンティティの確立に失敗するとどんなことが起きるかの例を紹介します。

ピーターパン・シンドローム…大人になりたくない!と思い続ける状態。

シンデレラ=コンプレックス…「いつか白馬の王子様が私を連れ去ってくれる」と思い、自立しない。

パラサイト=シングル…親のすねをかじり続けて、自分は何もしない独身の人。

SNS時代の青年期

SNS時代はさらにアイデンティティの確立が難しいと言われます。

以前は、自分が思う自分、他人から思われる自分、社会での自分といった形で、ある程度範囲が絞られていましたが、

今は「SNSでの自分」というものが存在するようになりました。

フェイスブックでの自分、Xでの自分、さらにアバターでの自分など

様々な自分を創出するようになり、さらに「自分とは何か」が見出しにくい状態です。

重要なことは、SNSで自分が社会全体に開かれ、他者とつながりはあるようにみえる自分が

本当の自分かを見極めることです。

「「いいね」をもらうためだけに生きる自分」になっていないか?

「SNSの情報で形つくられた自分」になっていないか?(○○さんの意見に賛同するだけで自分の意見をもたないなど)

SNSによって社会とは繋がりづぎた結果、自分が喪失しないように注意しましょう。

青年期でアイデンティティを確立する

青年期でアイデンティティの確立を確立するためには、

自分の価値観や目標を見つけ、社会の中でどのような役割を果たしたいかを考える必要があります

周囲からの評価や期待に振り回されず、自分らしさを貫くことが大切です。

また、学業、就職、結婚など、人生における重要な選択を迫られる時期でもあります。

情報収集や自己分析をしっかりと行い、後悔のない選択をすることが重要です。

この青年期で家族や友人などと良好な関係性を築いておくことも重要です。

なるべく多くの人とコミュニケーションを取り、また社会参加も試みて、

自分は社会の中でどういうことができるのかを考えていきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました