社会主義って何?【誰でもわかるようにまとめてみた】

哲学・倫理学

こんにちは。よっとんです

歴史・哲学倫理・心理、それから本紹介のブログを書いています。

本日は、「社会主義って何」というテーマで行っていきます。

この記事では以下のようなことが分かります。

  • 社会主義って何?
  • 社会主義と共産主義の違いは?
  • 社会主義と資本主義の違いは?

「社会主義=ソ連」と思われている方も多く、

社会主義はダメな思想と考えてしまいがちですが、実はそうではありません。

意外と身近なところに社会主義の考えは詰まっています。

その社会主義について、ダメな点も含めて分かりやすく解説しています。

この記事を読めば、「社会主義って意外と簡単じゃん」「社会主義って身近だな」と思えるとおもいます。

また、今後の社会主義とのかかわり方も見えてくると思いますので、ぜひ参考にしてください!

社会主義の目標は?

では早速社会主義について説明しましょう。

社会主義は、簡単にいえば、「平等こそが正しい」という考えです。

特に、貧富の差を無くすことを目指します。

具体的な例でいえば、累進課税(お金持ちほど税が高くなる)の制度

日本は所得税でこの制度を採用していますが、この制度も社会主義の考えに則ったものです。

お金持ちから税を多くとり、貧困者へ分配すると平等へ近づきますので。

その他には、次の主張も社会主義です

皆さん今日のお昼ご飯は焼きそばパンを食べましょう!

ここには差がありません。

完全な平等であり、社会主義の理想ともいえます。


逆に、ここに差があったらどうなるか?

1人でもメロンパンを食べたらどうなるか想像してみてください。

そのメロンパンを羨ましいと思う人が出て、それを盗もうとしたり、暴力で奪おうとするかもしれません。

そうなんです、差=不平等は対立を生むのです。

差をなくすことで対立をなくす、これが社会主義の目指す理念といえます。

そして、社会主義の究極目標は「戦争を無くすこと」でもあります

平等の社会を実現し、対立・貧富の差をなくすこと

これが社会主義といえます。

社会主義の完成形「共産主義」

続いて、共産主義について説明します。

共産主義は社会主義の考えを突き詰めた形態です。

いわば、社会主義の完成形といえます

例えば、共産主義の考え方では、

皆が同じところで同じ時間だけ働き、給料も同じ、食べるものも同じです。

もちろん国のリーダーなどはいません。

全ての人が同じことをして、同じ地位にいることで平等な理想社会をつくるのです。

こうすれば差がないので、対立はなくなります。

社会主義の思想を極端なまで突き詰めたのが共産主義なのです。

さて、実際にこの共産主義化を目指した国がありました。

ソ連です。

ソ連はレーニンという人物が共産主義を掲げて誕生しました。

ただ、共産主義国つくります!と宣言したからと言って、いきなりみんな一緒の行動するわけはないですね。

だから、その共産主義国をつくるために、まずは国が国民や仕事や食べ物を一括管理しようということになりました。

具体的にいえば、ほとんどの仕事を国有化し、国民に食事や給料を配給しました。

生産するものも国の計画に沿って決められました。(計画経済といいます)

しかし、ソ連は崩壊してしまいます。

スターリン以降、情報を遮断したり、粛清したりして、国内の乱れが生じました。

また、農業の集団化は国民のやる気をそぎ、生産性が下がったため、餓死者を出すほどでした。

他には、資本家・地主は排除を排除したことにも国力を下げることに繋がりました。

共産主義では平等を求めたので、上に立つ者をなくしたのですが、

地主や資本家は経済・経営に詳しい人ともいえます。

国全体の経済力を下げることにもなってしまいました。

※ちなみに、社会主義、共産主義国では平等こそが正義なので、国のトップも置きません。

「主席」・「第一書記」という人たちを聞いたことがあるでしょうか。

これは、社会主義・共産主義ではみんなの話し合いの場が国のトップに君臨します。

「主席」・「第一書記」はその話し合いをまとめる役を担う人という意図でつくられました。

ただ、実質は他国の国家元首や首相と変わりがなくなってしまいましたが・・・。

さて、話を戻しましょう。

結論から言えば、ソ連は本当の意味では共産主義国にはなれずに終わったのです。

だから、共産主義=悪、ということは証明できていません。

すべての国で共産主義が実現したら、もしかしたらとても過ごしやすいかもしれません。

貧困という問題はなくなるかもしれません。

自分が頑張らなきゃという、努力の必要性もなくなるかもしれません。

ただ、そこまでの道のりはとても困難である・・・ということはソ連の崩壊で証明されました。

社会主義・共産主義の弱点

では、社会主義・共産主義は何がだめなのか?を見ていきましょう。


実は、それはとても簡単です。

「みんな自由に生きたいから」です。

焼きそばパンではなくて、メロンパンも食べたいのです。

人間の欲・・・これは本能であり、抑えることは困難である

このことが社会主義を妨害するのです。

平等の方が理想かもしれないとわかっていても、自由を選ぶのです。

貧困者をなくすべきだとわかっていても、

自分の生活が焼きそばパンだけになるのは我慢ならないのです。

さらに、みんなと同じことをやるよりも、他の人と違うことをする方がやる気がでる

このことが経済的に優位に働くこともあります。

メロンパンに飽きたら、他のおいしいパンを作ろうとします。

誰かが他のおいしいパンを作れば、自分はもっとおいしいパンを作ろうと思います。

そうして多様なパンが生まれ、たくさん売れて・・・またたくさん作って、たくさん売って・・・

となります。

これを繰り返す(ことを強いられる)社会が資本主義社会です。

簡単にいえば、競争することで新たな資本を生み出す考えが、資本主義です。

そして、現段階でいえば世界の9割ほどが資本主義国です。

ソ連崩壊後、ほとんどの国が資本主義化していきました。

ソ連を慕っていた、あの中国でさえそうです。

では、資本主義が最高の原則なのか?最後にそれを見ていきましょう。

資本主義が理想形?

「資本主義が最高じゃん!」と思っている人も多いと思いますが、それを簡単に検証します。

資本主義の原理は自由競争にあります。

資本家は、生産力をあげるために投資して生産性をあげ、できた大量の物をに売り、利益を得る、

それをまた投資してさらに生産性をあげ、利益を得る・・・

この繰り返しが資本主義には伴います。

そして、この繰り返しには終わりがありません

この投資をし続けられれないいですが、いつしか限界が来ます。

今の世の中は付加価値をつけて売ることが多くなりました。

「この商品は他と違って、○○という機能がついています」とか

「この商品は女優のあの人が使ったものです」とか

「この商品を買えば、△△のサービスをつけます」とか・・・

また同じ商品だけど、プレミアをつけて差別化することもありますね。

ベンツ・BMWとトヨタ・ホンダは同じ車をつくっています。

機能も大して変わりませんが、

ベンツ・BMWにはプレミアがあります。

それで多くの利益を得るという戦法を使う資本家もいますね。

資本主義は差を生もうとします。

この差をつける競争から逸脱した人、あるいは差をつける競争に負けてしまった人は

お金を得られず、結果的に貧乏に・・・ということもありえます。

資本主義の欠点はこうして貧富の差が拡大してしまうことです。

差は対立を生みます。社会主義の考えとは真逆になるということです。

資本主義=善ということもまた証明はされていない・・・ということになります。

まとめ

「ええ、じゃあ何主義いいの?」と思われるかもしれません。

それには答えが出ていない状況です。

今、世界が色々な政策をしています

なかには、基本は自由だが、社会主義的な政策を多めに行う国(北欧諸国など)、

基本は自由で、社会主義を少し取り入れる国(アメリカ・イギリスなど)、

完全に共産主義とまではいかないが、社会主義国と名乗る国(ベトナムなど)

などがある状況ですが、どれが正解かは分かりません。

北欧諸国は税金がものすごく高いです。その代わり福祉は充実しています。

アメリカ・イギリスは貧富の差がひどいです。その代わり、国の経済発展はしています。

社会主義国は発展途上国がほとんどですし、実質は資本主義国と相違がなくなってきています。


どれがいいかはわかりませんが、

一つ言えるのは「資本主義=正義、社会主義=悪」ということではないということです。

社会主義は基本的には平等にしようという考えです。

この考えを忘れてしまうと、環境的に不遇な人を貶めたり、貧困層を無視してしまうことにもつながります。

社会主義を本能的に拒絶するのではなく、この思想を知ったうえで、

「社会主義的な考えをここに取り入れるとよいのでは?」

と考えていくことが重要なんじゃないかなと思います。


長くなりましたが、社会主義について、私なりにとても簡単にまとめてみました。

ここまでご覧いただきまことにありがとうございました。

ぜひ、社会主義の概念を学んでいただいたうえで、社会主義がよいかわるいかを考えていただければと思います。

参考文献を載せておきます!ぜひご覧ください!

☆『いまこそ社会主義 混迷する世界を読み解く補助線』 (朝日新書) 池上 彰 (著), 的場昭弘 (著)

☆『人新世の「資本論」 』(集英社新書)斎藤 幸平 (著)

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☆『カール・マルクス: 「資本主義」と闘った社会思想家 』(ちくま新書) 佐々木 隆治 (著)

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